個人事業主・フリーランスの方は「マイクロ法人との二刀流で節税になる」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
個人事業主がマイクロ法人を設立すると最低限の金額で社会保険に加入できるため、個人事業で国民健康保険・国民年金に加入するのと比較すると少ない金額で済むという合法の節税スキームです。
今回は、実際に個人事業主でマイクロ法人を設立した私の節税額を公開します。マイクロ法人の設立費用や法人特有の費用も含めて、個人事業主だけの場合と比べて本当に手取りが増えたのか検証しています。
マイクロ法人の節税額が気になる人、本当に節税になるのかと疑っている人はぜひ参考にしてください。
マイクロ法人節税スキームとは
個人事業主とマイクロ法人の二刀流で節税ができる理由は、国が提供している保険の仕組みにあります。個人事業主は「国民健康保険と国民年金」に加入しますが、会社員など雇用されている人は「健康保険と厚生年金」に加入します。
両方に当てはまる人(会社員で、個人事業もしている)の場合は会社で入っている「健康保険と厚生年金」のみ加入します。
これがマイクロ法人節税スキームの肝となります。
マイクロ法人を設立しその代表になると、法人の社会保険(健康保険と厚生年金)に加入できます。そして個人事業主で加入していた「国民健康保険と国民年金」は脱退します。
このように個人事業と法人で稼ぎを分割することで、保険料の算定に使われる金額が減るため、結果として節税になるのです。
マイクロ法人と個人事業二刀流で26万の節税になった
まずは先に結論から。筆者のマイクロ法人設立1期目の節税額はこちら!!ジャーン。
24万円!
思っていたより少なかったです(笑)まあ、マイナスにならなかったので良いのですが。
なお、個人事業とマイクロ法人を合わせた収入は約650万円、うち約75万円がマイクロ法人です。(参考にしたブログ記事だと合計400万円で手取りに60万の差が出ていたので、もっと高額の節税額を期待していました。それでも24万は大きいですよね!)
ここまでが結論です。ここからは、実際どこに差が出たかなど詳しく紹介します。興味がある方はご覧ください。
マイクロ法人と個人事業の二刀流で減った税金
どの税金がどれだけ減ったのか、実際の金額を公開して説明します!なお、マイクロ法人は2024年4月に設立しました。
収入と経費
まずは個人事業、マイクロ法人の収入と経費です。2月までは正社員としても働いていたため、所得金額に若干のずれがあるのはそのためです。
マイクロ法人の経費には役員報酬と法人負担社会保険料も含みます。
個人事業とマイクロ法人二刀流
売上 | 経費 | 売上 – 経費 | |
個人事業 | 590万円 | 105万円 | 505万円 |
マイクロ法人 | 70万円 | 65万円 | 15万円 |
次に、マイクロ法人がなかったと仮定した場合の収入と経費はこちらです。
個人事業のみだった場合
売上 | 経費 | 売上 – 経費 | |
個人事業 | 660万円 | 125万円 | 535万円 |
小規模企業共済などの控除で節税
上記の所得から、さらに控除できる金額を引いたものが課税所得金額となります。
私が利用した控除は以下です。
- 青色申告特別控除(65万円)
- 小規模企業共済(70万円)
- 基礎控除(48万円)
- 社会保険料控除
全て個人事業のみ、個人事業とマイクロ法人二刀流、どちらでも使える控除です。社会保険料控除の額は個人事業のみで約10万円、個人事業とマイクロ法人二刀流で約20万円でした。
所得税額の比較
課税所得金額 | 所得税額 | |
個人事業のみ | 340万円 | 23万円 |
個人事業+マイクロ法人 | 290万円 | 17万円 |
マイクロ法人設立による節税は社会保険加入による保険料節約がメインですが、所得税も6万円安くなる結果となりました。
保険料の節税額
今回最も注目すべき保険料がどの程度減ったかも見ていきましょう。1・2月は正社員で社会保険に加入しており、3月は国民健康保険、4月からはマイクロ法人の社会保険に加入しました。この記事ではマイクロ法人を設立した場合としなかった場合の比較をしたいので、4月〜12月の保険料の比較を紹介します。
▼個人事業のみの場合
国民健康保険 46,029円
国民年金 16,520
合計 62,549円
4月〜12月合計 562,941円
▼個人事業+マイクロ法人二刀流の場合
マイクロ法人の役員報酬は3万円に設定しているため、社会保険料は等級1となります。また、法人負担分も自分で支払うことになるため、全額の部分の金額を確認するようにしましょう。

健康保険料 5,788円
厚生年金 16,104円
合計 21,892円
4月〜12月合計 228,397円
保険料の節税額は36.5万円
個人事業主のみの場合が562,941円、二刀流の場合は228,397円ですので、マイクロ法人を設立することで保険料が36.5万円も節約できました。
4月から12月の9ヶ月間での比較ですので、1年間通した場合や前年の収入が多い場合はさらに大きな効果を発揮してくれそうですね。
マイクロ法人設立によってかかった費用
ここまでは実際にどれだけ税金が減ったかを紹介しましたが、マイクロ法人を設立することでかかる費用もあります。その分も考慮しないと、本当にメリットがあったのか分かりませんよね。
その実際の金額も公開します!
マイクロ法人設立に7万円かかる
法人の設立には登記費用などがかかります。それはもちろんマイクロ法人であっても例外ではありません。
法人の種類には株式会社や合同会社などがありますが、節税のみが目的だったのでより設立費用の安い合同会社を設立しました。
かかった費用の内訳はこちらです。
登録免許税 | 60,000円 |
電子定款作成手数料 | 6,000円 |
CD-R作成料 | 2,000円 |
書類コピー代 | 2,000円 |
法人設立の流れはマネーフォワード クラウド会社設立を参考に進めました。設立の際に必要な法人印の作成はキャンペーンで無料になりました(やったぁ)。定款を作成する司法書士事務所も紹介してくれます。
マイクロ法人を設立することで新たな費用が発生する
マイクロ法人を設立する際、登記にかかる費用の他にもバーチャルオフィス代や経理事務費用で約2.5万円かかりました。自宅や個人事業で使用しているオフィスに登記する場合や、全ての経理を自分で行う方は発生しません。
バーチャルオフィス使用料(年間) | 14,580円 |
経理事務(業務委託) | 10,000円 |
バーチャルオフィスはGMOオフィスサポートを利用しました。
マイクロ法人も法人税がかかる
マイクロ法人を設立すると、新たに法人税の支払いが必要になります。マイクロ法人の設立目的は節税ですので、基本的には利益はほとんど出ないか赤字になることが一般的です。
そのため費用は多くありませんが、赤字であっても税金が発生することは知っておきましょう。
法人税には以下の種類があります。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 特別法人事業税
- 消費税及び地方消費税
このうち、法人住民税の均等割7万円は赤字であっても発生します。
今回の私の場合は、4月〜12月が対象のため月割になりました。また、営業利益が8万円ほど出て黒字になったため、その他も税金がかかります。
法人税の合計は63,900円でした。
個人事業とマイクロ法人二刀流で手取りは26万円増えた
これまでの通り、個人事業とマイクロ法人の二刀流にすることで
- 所得税と社会保険料が約39.5万円減り
- 法人設立などで約9.5万円かかり
- 法人税が約6万円かかった
そのため、最終的に手取りは約24万円増えました!!
今回は以下のような理由から、年収750万から考えると節税効果はやや小さくなっていたと思います。
- 法人の設立は4月からだった
- 1月、2月は正社員だったので社会保険に加入していた
- 法人設立1期目なので法人の設立費用がかかった
- 前年の年収が今年より低かった(個人事業のみの場合の国民健康保険が少し抑えられた)
ですので、2025年は二刀流の節税効果がもっと大きく出るだろうと思っています。
個人事業とマイクロ法人の二刀流は節税できた
Youtubeで知ってやってみたマイクロ法人節税スキーム。本当にしっかりと節税ができました。
今後は個人事業の売上が増えて高額な国民健康保険料に怯えることがなくなりました。思う存分稼げますね(笑)
マイクロ法人1期目の売上は70万ほどですが、こちらも増やしていくつもりです。そうすると法人税が上がるのでは・・・?と思うかもしれませんが、マイクロ法人側の節税方法もまだまだあるのです。来年同じように検証ブログを出せたらと思っています。
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